脳神経外科

当院の脳神経外科は、｢脳外科｣ではなく｢脳神経外科｣としての外科診療科をめざします。多くの脳神経外科医は、脳の治療を得意としていますが、神経という組織は、脳・脊髄・末梢神経にわたって、からだの隅々まで張り巡らされています。頭痛、手足の痛みやしびれ、麻痺といった不調を生じた際には、総合的に適切な診断・治療がなされることが必要です。このような診療によって、患者様が笑顔で過ごせるようになることを目標とします。そのため、救急診療を含む一般的な脳神経外科診療に加え、「頭痛外来」、｢しびれ・痛み外来(脊椎・脊髄・末梢神経外来)｣、といった症状に応じた専門外来を行います。

脳血管障害

主に、血管が詰まって発症する｢脳梗塞｣、血管が破れる｢脳出血｣｢くも膜下出血｣に分けられます。いずれの疾患も早期の治療が望ましく、脳神経内科、放射線科、救急科と協力し、迅速な治療を行います。当院の特色として、各科と協力し、開頭手術・カテーテル手術・内科治療の全てに対応することが可能であり、患者様それぞれの病態に応じた最善の治療選択肢を提示します。また、再発予防治療についても十分な検討の上で施行します。

脳腫瘍

腫瘍が発生する場所や大きさによって、様々な症状を呈する可能性があります。良性腫瘍の代表である｢髄膜腫｣においては、当院での開頭腫瘍摘出術を行い、根治を目指します。悪性腫瘍においては、術後の放射線治療、化学療法が必要になる可能性が高く、ご希望に応じて適切な医療機関に紹介します。

頭痛外来

外科手術が必要とならないことが多いですが、脳血管障害や脳腫瘍が隠れていないかの診察・画像検査を行います。その他に、片側の顔面に激痛が走る｢三叉神経痛｣、くしゃみや咳によって後頭部に激痛が走る｢キアリ奇形｣、といった特徴のある痛みについても、内科的治療で改善が得られない場合には手術による症状緩和治療が可能です。

しびれ・痛み外来　(脊椎・脊髄・末梢神経外来)

手足のしびれや痛みを生じている場合、脊椎(せぼね)・脊髄、末梢神経が原因となっている可能性があります。神経の圧迫によって症状を呈している場合、たとえ他院で手術を諦めている患者様においても、可能な限り、症状の緩和ができるように治療方針を検討します。頚椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアに対しては、症例に応じて｢全内視鏡下脊椎手術｣とよばれる手術を今後取り入れていくことで、小さな創部から手術を行い、数日の入院期間で退院をめざします。顕微鏡手術が必要な際には、明るい術野で安全かつ確実な手術をめざします。また、脳卒中や脊髄損傷後慢性期などの手足のつっぱり(痙縮)や痛みに対しては、バクロフェン髄注療法や脊髄刺激療法を行うことで症状の緩和が得られる可能性があります。

その他、頭部外傷や脊髄損傷に対しては、救急科・整形外科・リハビリテーション科と協力し、救命救急センターとしての役割を果たすべく、最大限の神経集中治療を行います。

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